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QRコード受付の仕組み — 発行からスキャンまで何が起きているか

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QRコード受付は、ゲスト1人ずつに固有の識別子(トークン)を埋め込んだQRコードを事前に配り、当日はスタッフの端末でそれを読み取って名簿と照合し、入場を記録する仕組みです。QRコードそのものに名前やメールアドレスは入っておらず、入っているのは「名簿のどの行か」を指す鍵だけです。照合と記録はサーバー側で行われるため、同じQRを2回かざしても2人分にはなりません。

段階起きていること主に関わる人
1. 発行ゲストの名簿行ごとにトークンが作られ、それを含むQR画像が生成されるシステム
2. 配布出席回答をしたゲストにQR付きメールが届く。ゲストは画面保存や印刷をするゲスト
3. スキャン受付スタッフが端末のカメラでQRを読み取る受付スタッフ
4. 照合読み取ったトークンでサーバーが名簿を検索し、本人かどうか・入場済みかどうかを判定するシステム
5. 記録と表示入場時刻が名簿に書き込まれ、端末に「入場OK」「入場済み」「無効」のいずれかが大きく表示される受付スタッフ・主催者

QRコードに入っている情報

QRコードは文字列を白黒の点に変換した画像で、読み取り機はその文字列をそのまま取り出します。入場用QRに入っているのは、多くの場合「受付用ページのURL+ゲスト固有のトークン」です。たとえば「https://受付システムのドメイン/scan?token=(長い英数字)」のような1行です。

このトークンはゲストの名簿行を一意に指す識別子で、名前・会社名・メールアドレスのような個人情報そのものではありません。QRを拾った第三者が読み取っても、見えるのはこのURLだけで、名簿の中身は見えません。見えないのは、名簿の照合がサーバー側で行われ、トークンから名前を引ける権限をサーバーだけが持っているためです。

トークンには「推測できないこと」が求められます。連番や受付番号をそのままQRにすると、自分の番号を1つ変えた別の人のQRを作れてしまいます。多くのシステムはランダムに生成した128ビット級の識別子(UUIDなど)を使い、総当たりで一致させることを実質的に不可能にしています。トークンが秘密値の役割を果たすので、QRの画像を扱う場所(メールや印刷物)は、入場券そのものと同じ扱いが必要です。

画像の形と保存

QRは画像なので、スマートフォンの画面に表示しても、スクリーンショットで保存しても、紙に印刷しても、読み取れる情報は変わりません。メールの本文に表示する方式と、画像ファイルを添付する方式の2つがあり、両方を同時に送るシステムもあります。メールアプリが本文の画像を表示しない設定になっていると本文側のQRが見えないため、添付がある方がゲスト側のつまずきが減ります。

発行から入場までの流れ

  1. 発行。 ゲストを名簿に登録した時点、または出席回答を受け取った時点で、ゲストごとのトークンが作られます。QR画像はトークンから何度でも同じものが生成できるので、「発行し直す」と別のQRになるわけではなく、同じQRを再送できます。
  2. 配布。 出席の回答と引き換えにQR付きメールを自動送信する流れが一般的です。前日のリマインドメールに同じQRをもう一度載せると、当日に「メールが見つからない」というゲストが減ります。
  3. スキャン。 受付スタッフは専用機ではなく、手元のスマートフォンやタブレットのブラウザで受付ページを開き、カメラでQRを読み取ります。読み取りは端末内の処理なので一瞬で終わります。
  4. 照合。 端末は読み取った文字列からトークンを取り出し、サーバーに送ります。サーバーはトークンで名簿を検索し、該当者がいなければ「無効」、いれば入場済みかどうかを調べます。
  5. 記録と表示。 未入場なら入場時刻を書き込み、「入場OK」とゲスト名を端末に大きく表示します。記録はその場で名簿に反映されるので、別の場所で管理画面を見ている主催者にも入場状況が同時に見えます。

受付の体感速度を決めるのは、3のカメラ読み取りではなく、4と5の通信です。会場の回線が不安定だと「確認中」のまま数秒止まることがあるため、受付位置の電波状況は前日までに確かめておきます。

二重利用はどう検知するか

同じQRが2回かざされる状況は、悪意の有無に関係なく必ず起きます。読み取りが成功したことに気づかず再度かざす、同伴者がスクリーンショットを共有される、別の入口で2回受付を通る、などです。検知は次の3層で行われます。

層仕組み防げること
端末側の抑制1件の処理中は次の読み取りを受け付けず、結果表示後に数秒おいてから再開する同じ画面を向けたままで連続して読み取られること
サーバー側の記録「このゲストはこの日に入場した」という記録を、ゲストと日付の組み合わせで1件だけ保存できるようにしておく別の端末・別の入口から同じQRが来ること
排他的な処理「入場済みか調べる」と「入場を記録する」を1つの処理として実行し、途中に別の処理が入らないようにする2台の端末が同じ瞬間にかざした場合に両方が「入場OK」になること

検知した結果は、スタッフが遠目でも分かるように色で分けられます。「入場OK」「入場済み(時刻つき)」「無効なQR」の3つを、たとえば緑・黄・黒のように背景色ごと変えて全画面で表示する設計が、受付の列を止めずに判断するには向いています。「入場済み」と出たときにスタッフがすべきことは、拒否ではなく確認です。本人が入場済みの記録に気づいていないだけなら入場時刻を見せて案内し、別人が同じQRを持っていた場合は本人確認に切り替えます。

受付の取り消し

誤って別人のQRで受付した、テストで読み取った記録が残っている、という場合のために、入場記録を取り消す操作が管理側に用意されていることが多いです。取り消すと記録は未入場に戻り、同じQRで再度受付できます。

複数日イベントの場合

内覧会や展示会のように複数日にわたる会では、「1人1枚のQRを会期中ずっと使う」設計と「日ごとに別のQRを配る」設計があります。前者は配布が1回で済み、ゲストも1枚を保存すればよい反面、二重利用の判定を「ゲスト×日付」で行う必要があります。日本時間の日付で区切り、同じ日に2回目のスキャンが来たら「入場済み」、翌日の最初のスキャンは「入場OK」とする方式です。管理画面では日付を切り替えて、その日の入場者だけを見られる形が扱いやすいです。

オフライン・通信障害のとき

QR受付の方式は、照合をどこで行うかで2つに分かれます。

方式照合の場所通信が切れたとき向いている会
オンライン照合型サーバー。端末は読み取りと表示だけ受付が止まる。復旧後に再度かざす回線が確保できる屋内、複数端末で記録を共有したい会
端末内照合型端末。事前に名簿を端末へ取り込む受付は続くが、端末間の記録が同期されず二重利用を検知しにくい地下・屋外など回線が不安定で、端末が1台の会

オンライン照合型を使う場合、備えは3つです。会場の回線を前日までに受付位置で確かめること。モバイル回線の端末を1台予備に持つこと。それでも止まったときは紙の名簿(出席回答者の一覧を印刷したもの)で受け付け、復旧後に入場記録を手で入れることです。「QRが読めない」と「通信がない」は現場では同じ見え方をするので、スタッフには「確認中が5秒以上続いたら回線を疑う」と伝えておきます。

よくある疑問

  • QRに有効期限はあるか。 トークンに期限を持たせるかどうかはシステムによります。期限を切らない方式では、イベントが終わっても同じQRが読み取れますが、照合先の名簿がイベント単位で分かれているため別のイベントには使えません。
  • スクリーンショットでよいか。 問題ありません。QRは画像なので、元のメールを開けなくても読み取れます。画面の明るさを上げ、画面保護フィルムの反射を避けると読み取りが安定します。
  • 印刷して持参してもよいか。 読み取れます。インク切れや折り目で一部が欠けても、QRには誤り訂正が入っているため、ある程度までは読めます。
  • 名簿にない人がQRを持ってきたら。 「無効なQR」と表示されます。別のイベントのQRや、名簿から削除された人のQRが典型です。名簿で本人を探し、見つからなければ主催者の判断に回します。

S/PASSでの扱い

S/PASS では、ゲストを名簿に登録した時点で1人ずつ推測できない識別子(UUID)が自動で付き、QRコードにはこの識別子を含む受付ページのURLだけが入ります。ゲストが出欠回答ページで「出席する」を押すと、その場でQR付きメールが自動送信され、メール本文の画像と添付ファイル(qr-ticket.png)の両方に同じQRが入ります。前日のリマインドメールにも同じQRが再掲されます。受付スタッフはログインした状態でスマートフォンから「受付スキャン」を開き、ブラウザのカメラで読み取ります。照合はサーバー側の1つの処理で「名簿検索・入場済み判定・記録」をまとめて行い、結果は緑の「入場OK」、黄の「入場済みです(入場時刻つき)」、黒の「無効なQRコードです」の全画面表示で返り、3秒後に自動で次の読み取りに戻ります。二重利用の判定は日本時間の日付とゲストの組み合わせで行うため、複数日イベントでは同じQRを各日の受付で使え、管理画面は日付ごとの入場者を切り替えて表示します。入場記録は管理画面にその場で反映され、主催者(閲覧のみで共有されたメンバーを除く)は受付の取り消しができます。端末内照合(オフライン)には対応していないため、受付位置の回線確認と紙の名簿の予備を推奨しています。


関連: 用語集 / 受付方法の比較 / 当日受付フロー / QRコード受付の設計(STATS INSIGHT)

この記事は 2026-10-21 に公開しました。S/PASS の機能の記述は同日時点の実装(QR生成・受付ページ・照合処理・複数日の受付記録)に基づきます。一般の仕組みの説明は特定の製品を指すものではなく、他社サービスの仕様は各社の公式情報をご確認ください。